こんにちは。YUKI(@YUKI_BtoB___)です。
今回は「BtoB企業におけるSNS運用の教科書」ということで、BtoB企業のSNSの運用を担当される方に向けて現役ウェブマーケターの目線で考えや情報を整理しています。
本記事の構成としては、以下となっています。
- そもそもBtoB企業はSNS運用をする必要があるのか?
- ポイント:SNS運用を通じて自社のプレファレンスを向上させる
- どのSNSを運用するのが正しいのか?
- BtoB企業×Twitter運用の相性
- BtoB企業×Instagram運用の相性
- BtoB企業×Facebook運用の相性
- BtoB企業におけるTwitterアカウント運用の例と成功までの道筋を分析
- BtoB企業のTwitterアカウント例
- BtoB企業におけるTwitter運用のポイント
- Twitterアカウントの分析とデータ活用方法
- BtoB企業におけるInstagramアカウント運用の例と成功までの道筋を分析
- BtoB企業のInstagramアカウント例
- BtoB企業におけるInstagram運用のポイント
- BtoB企業におけるFacebookアカウント運用の例とFacebook広告の考え方
- BtoB企業のFacebookアカウント例
- Facebook広告を活用するポイント
- まとめ
→この記事の内容をホワイトペーパーにまとめています。ダウンロードはこちら
そもそもBtoB企業はSNS運用をする必要があるのか?

「BtoB会社のお仕事は企業同士の担当レベルで繋がるのでSNSは効果的ではない」という声を今でも稀に聞きますが、これは本当でしょうか?
例えば、Twitterのアプリを開き、ツイートし、そんなツイートを見て行動を起こすのは誰でしょうか?
それはまさに「お客様になり得る人その人であったり、またはその人の知り合い」です。
BtoB企業においてのSNSマーケティングの基本というのは、つながる全ての人がビジネスチャンスであり、あなたの会社の商品・サービスをおすすめしてくれる推薦者になり得る人です。
ポイント:SNS運用を通じて自社のプレファレンスを向上させる

BtoB企業の商品・サービスの情報をSNSで、間接的にお客様になり得る人に情報を届けることで、プレファレンス(=消費者の選好性)を向上させることを目的とした施策を検討します。
その商品・サービスを選ぶ行動の確率を上げるための施策の一環としてSNS運用が手段としてあります。
上で説明した、プレファレンスを向上させることは、SNS上に存在する誰彼構わずに認知してもらうことと同義ではありません。
あくまで、あなたの会社の商品・サービスを買ってくれる方に向けて、どのように情報を届ければ効果的なのか?を実践していくことになります。
※プレファレンス(=消費者の選好性)に関しては、森岡毅著『確率思考の戦略論』(KADOKAWA (2016/6/2)をご覧ください。
おそらくこのブログ記事を読んでいるあなたは、企業のマーケティング担当者かWebマーケティング会社の方でしょう。
そしてTwitter運用の事例を集めて、運用が滞っている自社のアカウントの改善、もしくはWebマーケティング会社の方であれば顧客に対する情報提供・提案の一環として検索をしたと思います。
私は、そんなあなたにこの記事を届けることで、「YUKI(@YUKI_BtoB___)という人間が有益な情報を発信しているからTwitterを覗いてみよう」と行動させることをコンバージョンポイントに置き、記事を書いています。
このようにターゲットペルソナに対して適切に情報を届け、自社のプレファレンスを向上させるための手段として広告宣伝は行われ、SNS運用は一つの手札かつ、ストック的な資産としての役割を果たしてくれます。
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どのSNSを運用するのが正しいのか
一般的にSNSといってもTwitter、Instagram、Facebook、LINEなど様々。
各ソーシャルメディアの特性は皆さん自身で体感をお持ちだと思いますので、説明は割愛します。
しかし、BtoB企業の商品・サービスと各媒体の特性との相性もあるでしょう。
※BtoB企業にとって直接LINE友達登録を行う導線が少ないことから解説からは一旦外します。
BtoB企業×Twitter運用の相性
Twitterの歴史はこちらの記事がまとめてくれています。
Twitterの特徴はオープンなメディアでありつつ、クローズドな面も同時に兼ね備えているところ。プロダクト理解が進むこの記事も参考になります。
- 企業担当者「中の人」のコミュニティが形成されているため比較的始めやすい
- SNSユーザーが企業担当者の人間味や発信する情報に対して意外性を期待している
- ユーザーによるリツイートなどの拡散効果が高い
BtoB企業×Instagram運用の相性
InstagramはTwitterと比べると拡散性が低く、投稿する内容や世界観がそのまま結果に反映される媒体です。
Instagram自体のプロダクトの理解はこちらの記事から。
- 拡散力がなく、BtoBの商材は#タグ検索もされないため、商材の発信に向かない
- 世界観がポイントのため、「エモい」表現が好まれる傾向
- 採用の観点で発信するなど、特定の目的でブレない運用がポイント
BtoB企業×Facebook運用の相性
Facebookはアクティブユーザーが減少しているのが最近ニュースになっていましたね。
そのことから、投稿をしていく運用、というよりもFacebook広告を活用した運用方法が注目されています。
広告クリエイティブをする際は、『「BtoB向け」クリエイティブアイディアで悩んだ時に見る25個の広告パターン』は眺めているだけでも気づきがあり、参考になりました。
Facebook自体は、ユーザーが実名・顔出しを基本とする媒体のため、強いつながりを獲得できます。
- ホワイトペーパーやセミナーの案内を細かいターゲットに有料広告で発信できる
- お役立ちブログの更新などビジネス寄りの内容での投稿がメイン
- 投稿する際は、知り合いのユーザーに事前にいいねやコメントを依頼しておき、拡散の初速を上げると芋づる式に効果が高まる
※石井賢介さんのnote『【マーケティング実践編】無名の僕が12500スキを越えるnoteを書いた裏側の全て』にもありましたが、泥臭い"さくら仕込み"は有効な手法です。
ここからは実際にBtoB企業のSNS運用の一例としてアカウントを見ていきます。
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BtoB企業におけるTwitterアカウント運用の例と成功までの道筋を分析

まずはBtoBでもよく使用されるSNS、Twitterのアカウントの事例をご紹介します。
BtoB企業のTwitterアカウント例
ミドリ安全.com
安全衛生に関わる製品を飲食企業や医療現場向けに販売する「ミドリ安全」さん。
自社のペルソナにあった「安全衛生」を軸とした情報コンテンツの発信と、「#〇〇の日」にちなんだ製品紹介でフォロワー数を伸ばしています。
発信しているコンテンツは一般大衆的なモノ・コトも含み、消費者にも役立つ商品をうまく提案しています。
弥生株式会社(公式)
弥生株式会社(公式)さんのTwitterアカウント運用も堅実です。
会計ソフトや給与計算ソフトを個人事業主や企業向けを販売しています。
中の人がカジュアルにツイートされており、「#○○の日」にちなんだ情報コンテンツ発信や、弥生会計に対するツイートをリツイートしたりと丁寧な運用をされています。
株式会社石井マーク
株式会社石井マークさんは、中の人の切れ味が素晴らしいです。
標識・銘板を販売されている企業様です。
上のツイートはよく見る注意書きの看板ですが、この写真から始めるスレッドを作り、豆知識的に「なぜこうなるのか?」「プロとしてどう思うのか?」を小気味よく織り交ぜたツイートになっています。
「日常に見られる光景」を切り取り自社の観点を織り交ぜつつ情報発信すると多くのいいねやリツイートがもらえることを証明しています。
BtoB企業におけるTwitter運用のポイント
上で紹介した企業から、BtoB商材を取り扱う企業のTwitter運用のポイント・エッセンスを抽出してみました。
- 自社が優れているのが”間接的”に伝わるツイート
- 更新頻度を高くする
- 「#○○の日」などを使用した情報発信
特に重要な点として、自社の良さやプロフェッショナルな姿勢が”間接的に”伝わるツイート方法がポイントになっていると感じます。
また、弥生会計さんのように、自社に対するツイートをリツイートしたりと丁寧な運用も効果的のようです。
Twitterアカウントの分析とデータ活用方法

Twitterカウントを運用していて、「結局やることはわかったけど、やっていることが正しいかわからない」となります。
ここで活用すべきは、これまでの自社の運用データです。
Twitterアカウント・ツイートのデータ分析準備

Twitterのアカウントページ>Twitterアナリティクス>ツイートアクティビティの画面右上「データをエクスポート」からbytweetで、CSVデータを簡単に落とせます。
これまでのツイートデータをエクセル上で管理するのをおすすめします。
ツイートはエクセル上で投稿カテゴリを整理し、振り分けます。
例)日常、商品紹介、自社に関するニュースなど
カテゴリごと、1ツイートごとの平均データがとれます。
どのようなツイートが人気だったのか?目標数字に近づくためにはどれくらいのツイートや施策が必要なのかが明確にわかります。
Twitterのデータ分析5つの指標

- インプレッション(ツイートの表示回数)
- エンゲージメント率(ツイートへの反応率)
- 投稿のプロフィールクリック数
- 投稿のカテゴリ分類と投稿時間
- フォロワー増加数
それぞれの指標を投稿カテゴリごとに追って、伸びやすいツイートを見極めます。
ちなみに上のデータ分析の手間が…となる方には「SocialDog」で効率的に運用するのをおすすめです。

PC版のTwitterの分析機能「Twitterアナリティクス」はツイートアクティビティやフォロワー数の推移くらいのため、分析に時間がかかります。
「SocialDog」を使用すると、ツイート分析やツイート曜日・時間帯別分析機能もあり、運用のダッシュボードとして有用です。投稿タスクの管理や#(ハッシュタグ)の追跡までできるので広報部門での運用が簡単になります。
9,800円/月とカジュアルなお値段かつ無料トライアルもあります。
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BtoB企業におけるInstagramアカウント運用の例と成功までの道筋を分析
BtoB企業のInstagramアカウント例
SKY株式会社
藤原竜也さんがCMに出演し、最近知名度が上がっているSKY株式会社さん。
ICT関連のサービスを展開しています。オンラインセミナーの告知やITに関する情報発信に取り組んで好評のようです。
フォロワーキャンペーンなども実施し、アクティブにInstagramを運用されています。
HubSpot
BtoB向けにCRM/MA/SFAツールを販売するHubSpot。
マーケティングやSNS、セールスといった自社の商品に関連する分野の調査実績やノウハウの情報発信を行っています。
フォロワーは、HubSpotの利用者、マーケティング業務に携わる人であり、その人達にとって必要な情報を届けることで「HubSpot=マーケティング」というブランディングの礎になっています。
武田薬品工業 採用アカウント(公式)
武田薬品さんでは、Instagramを採用コンテンツ発信として運用されています。
就職希望者にとって、会社で働くイメージやどんな人達と働くことになるのかは、常に重要なポイント。
SNSを通して社員のインタビューを発信することで、親しみと安心感を得られる運用方法です。説明会情報も発信しており、見込みを逃さないように発信されています。
BtoB企業のInstagram運用のポイント
BtoB企業のInstagramアカウント事例を見てきました。
明確なペルソナ・目的を持って投稿をしていくのが重要なことは他のSNSと共通です。
Instagramでは画像・動画をギャラリー形式で見れるため、直感的に世界観を理解されます。
- 明確なルールやゴール、世界観を持って発信する
- 更新頻度が高い
- 情報提供の場として、自社の商品を買う前のニーズを深彫するような運用
SKY株式会社やHubSpotのように「インバウンドマーケティング」の思考で投稿をすることが重要になります。
Instagramのデータ分析をPCで行う「Meta Business Suite」
これまでInstagramの投稿のインサイト(分析データ)は、スマホのみで閲覧でした。
Facebookアカウントと連携させ「Meta Business Suite」を使用することで、PCでのデータ閲覧とCSVデータのエクスポートができるようになりました。


なお、そもそもFacebookとInstagramの連携設定をしていない場合は設定する必要がありますのでご承知おきください。FacebookとInstagramを連携させる方法はこちらの記事が参考になります。
Instagramなら「発見タブ」に入れるように活用したい
また、他のSNSよりも拡散力の弱いInstagramを効果的に運用するのであれば、
「発見タブ」に入ることを目標とします。

発見タブに載せて投稿を届けるためのポイントは3つ。
- 投稿への反応(いいね、コメント、保存)の伸びが良い
- ユーザーが発見タブで行うアクションを想像する
- 1つの発見タブに1アカウント1投稿
発見タブでは、名前の通りユーザーにとっての「発見」を重視しており、新しくて伸びの良い投稿はもちろん、1つの発見タブに同じアカウントの投稿で埋め尽くさないよう設計されています。
入れたい発見タブを見つけたら、自分で検索してみて「どんな投稿が上がっているのか?」「この投稿のどんな部分にユーザーが惹かれて、アクションを起こしているのか?」を考えて投稿案を作成すると良いです。
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BtoB企業におけるFacebookアカウント運用の例とFacebook広告の考え方
BtoB企業のFacebookアカウント例
株式会社デンソー
株式会社デンソーさんのFacebookページでは、週に数回という更新頻度で、必ず画像や動画などのクリエイティブをつけて投稿しています。
他媒体にも載せているクリエイティブで、クオリティが高く見栄えが良いです。
株式会社ベーシック(ferret One)
株式会社ベーシック(ferret One)は、BtoB企業向けのCMSやマーケティングオートメーションツールを販売しています。
Facebookの投稿自体は多いわけではなく、Facebook広告を中心に施策を行っています。積極的なウェビナー開催告知やオウンドメディアのブログ記事を中心に発信することでリードを集めています。
Facebook広告を活用するポイント
本記事では、現在利用頻度の高いであろう、Facebook広告の運用のポイントをまとめます。
Facebookの通常の運用で効果的だった事例が周りにないためです。
※諸先輩の方々、ぜひ事例がありましたお教えいただければ幸いです…。
Facebookのアカウントでのデータ分析は、We Love Socialさん「Facebookインサイトを使ってFacebookページを分析・解析する方法」をご覧ください。
いまではInstagramのアカウントと同時に分析ができる「Meta Business Suite」もあるのでご活用下さい。
Facebook広告運用のポイント

Facebook広告が初めての方は、「【2021年最新】Facebook広告の出し方徹底マニュアル」をご覧ください。
Facebook広告の凄いところは、配信対象の細かいカスタマイズが可能であるという点です。
運用するポイントとしては以下の3点。
- オーディエンス設定の最適化
- 広告する投稿の質
- 広告のゴール設定
の3つのポイントに沿って解説します。
Facebook広告は何らかのゴールへの手段であるため、配信する際は、
「誰に」、「どんな情報を」、「なんの目的で」を定めて配信しなければブレます。
1.オーディエンス設定の最適化
「誰に」を明確にすることで適切に配信されるようにしていくこと。
デモグラフィック情報(地域、年齢、職業など)を元に、詳細なターゲット情報を決めていきます。

「詳細オーディエンス設定」では、「利用者層」「興味・関心」「行動」「その他のカテゴリ」という属性を細かく設定することができる。

その他に、Facebook広告の配信リストは、「普段使っているメールリスト」をFacebookにインポートして、似た属性のターゲットリストを作成することができたり、役職者に限定してターゲティングするなど様々な施策を実施できるのが楽しいところ。
※なおメールリストのインポートなどは「Facebook広告マネージャ」の中で作成できます。
2.広告する投稿の質
Facebook広告に使用する投稿や動画は、ユーザーのタイムラインやストーリー上に表示されるため、魅力的でクリックやその先で問い合わせを誘導するものある必要があります。
クリエイティブがどういうものが流行っているのか?は現物を見るのが早いです。
「有名SaaSのFB広告クリエイティブまとめ」などを見て理解していただくと良いです。
3.広告のゴール設定
Facebook広告を通して、何をしたいのか?どこまでの見込みを獲得するのか?はFacebook広告の最適化に重要なポイントです。
Facebook広告ではこれまでに接触のない潜在客にアプローチを行うため、資料ダウンロードやセミナー集客など、営業的な直接の接点がないものをコンバージョンに置くことが多いです。
「【BtoB向け】Facebook広告で成果を上げるためのチェックリスト」はわかりやすく、参考になりますのでご覧ください。
まとめ
BtoB企業におけるSNS運用の教科書ということで、独断と偏見で運用する際のポイントと、参考情報をまとめてきました。
あくまで私見ですが、本記事が何かのお役に立てれば幸いです。
ご意見・ご感想は、YUKI(@YUKI_BtoB___)までお待ちしております。
→この記事の内容をホワイトペーパーにまとめています。ダウンロードはこちら
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